● メス牛がオス牛(去勢牛)よりも美味しい理由

● 本当に美味しいミス牛を一頭買い!牛肉の評価は、肉の柔らかさ、脂の味、見た目の美しさです。
これらを追求していくと行き着く最高点が「雌牛」です。
雌牛とは未経産牛、つまり出産をしていない「ミス」の牛のことです。
反対の雄牛というのは去勢牛のことで、幼年のうちに処理をすることによってサシ(脂)が入りやすくなります。

しかしやはり雄牛は雌と比較すると筋肉質な上、雌牛の方には不飽和脂肪酸が多く含まれており、融点が低いため
に口の中でとろけるような味わいとなります。
付け加えて不飽和脂肪酸は体内で合成できず、健康に必須な栄養素つまり大変体に良い脂肪だということです。
また雌牛は肉質自体がきめ細かく、舌触りも「絹のようだ」と比喩されることさえあります。
このような理由から、有名なブランド牛の定義の中には、雌牛のみを規定している場合もあります。

しかし、雌牛は去勢牛と比べて太らせにくく、飼育も難しいため流通は圧倒的に雄牛が多いのです。
ですから、牛肉を提供する店舗では雌牛を部位ごとに買取して調理するのが一般的です。
この雌牛を丸ごと一頭買いし、すべての美味しくてさらに希少な部位をコースで提供できるお店こそは貴重であるといえます。
実は牛の部位は余すところなくそれぞれの味わいがあるのですが、一頭からとれる量が少ない部位ほどお目にかかる頻度が下がるということです。
一頭買いした店の、オリジナルの味付けを施したその希少部位を堪能する贅沢さを、是非体感してみたいものです。